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2.マンション建替え円滑化法に基づいて建替え事業を進めるメリットは何か? |
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区分所有法にもとづく建替え決議の成立後、マンション建替え円滑化法に基づいて事業を進めることができます。 |
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法人格を有する建替組合を設立できます。 |
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建替えに合意した区分所有者等(以下、建替え合意者という。)は、5人以上が設立発起人となり、定款及び事業計画を定め、マンション建替組合(以下、建替組合という。)の設立について、都道府県知事の認可を申請することができます。
この申請を行うには、建替え合意者数と、建替え合意者の所有する専有部分等の床面積割合に応じた議決権のそれぞれについて、3/4以上の同意が必要です。
建替組合は、建替え合意者の全員(建替組合設立に同意しなかったが、建替えには合意している者も含む。)と、もともとの区分所有者ではないが外部から新たに建替え事業に参加することを希望する者(参加組合員という。例えば、ディベロッパー。)によって構成されます。
この建替組合には、法人格が与えられます。これにより、建替組合は、建替え事業の施行者となり、建替組合として工事発注契約や権利変換の実施等が可能になります。
一方、建替組合を設立しない場合は、建替えを行う主体が建替えに参加する区分所有者一人一人となるため、工事請負会社と個別に契約するのが一般的です。このため、契約行為が非常に煩雑になります。
また、常に全員一致を原則として事業を進めなければなりませんので、合意形成や事業実施に時間がかかりがちです。
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権利変換を行うことができます |
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従来の建替えでは、建替え前の旧マンションに関する区分所有権、敷地利用権、抵当権その他の権利を、建替え後の新マンションへ確実に移行させる仕組みを欠いていました。
このため、旧マンションの解体に伴って抵当権が抹消されることに難色を示す金融機関がありました。
また、住戸を賃貸している不在所有者の場合、賃借人との間で賃貸借契約の解除についてトラブルが生じたケースもありました。
これに対して、マンション建替え円滑化法が適用される場合は、旧マンションの関係権利(区分所有権、敷地利用権、抵当権、借家権等)が新マンションへどのように移行するのかを示す権利変換計画を、建替組合が定め、都道府県知事の認可を受けます。
この計画を定めるには、組合員数と、組合員の所有する専有部分等の床面積割合に応じた議決権のそれぞれについて、5分の4以上の議決が必要です。これにより、旧マンションの関係権利が、新マンションへ、法的手段に基づいて確実に移行されます。
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特別多数決に基づいて事業を進めることができます。 |
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建替え決議が成立した後、住戸の位置決めなど、建替え参加者間の意向調整を行いながら、最終的な実施計画を策定する必要があります。
マンション建替え円滑化法を適用しない場合は、常に全員一致を原則として事業を進めなければなりません。
しかし、マンション建替え円滑化法を適用した場合は、既に述べたように特別多数決に基づいて事業を進めることができます。
さらに、建替え不参加者や権利変換計画に同意をしない組合員に対して、建替組合は区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができます。
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(4) |
様々な支援措置を受けやすくなります。 |
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マンション建替え円滑化法にもとづくマンション建替事業においては、「マンションの建替えの円滑化等に関する基本的な方針」(平成14年12月、国土交通省告示)に従い、国及び地方公共団体による様々な支援を受けやすくなります。
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