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3.建替えにはどのような方法がありどれを選んだらいいのでしょうか?
   
建替えを実現する方法は下記のようにいろいろな方法があり、それぞれに特性があります。
どの方法がもっとも適しているかという問題は、マンションの規模や状況、区分所有者の意識、組織の経験や能力などによって異なり、さまざまな条件を総合的に勘案しながら、個別具体的に検討すべき問題です。
ただし、建替え円滑化が誕生してからは法定建替え決議を行い、円滑化法にしたがって組合を設立して事業を行う方式が一般化しつつあります。
とくに一部に反対者が予想される場合には建替組合が売渡し請求を行うことができるこのような方式が適していると思います。
建替えの方法は次のような基準で整理することができます。
(1) 区分所有法に定める建替え決議によるか、任意の全員同意によるか。
区分所有法の建替え決議は共有物の処分には共有者全員の同意が必要と定める民法の例外規定です。
その最大の効果は建替え決議に賛成しなかった区分所有者の権利を最終的に強制的に買取り、全員が賛成した状態をつくりだすことができるという点にあります(区分所有法63条参照。売渡し請求)。
反面、決議のための手続きは厳格に定められ少数者の利益が不当に害されることが無いように配慮されています。
これに対して、区分所有法に定める内容・方法以外で建替えを行う場合は民法の原則に戻り区分所有者全員の同意が必要となります。

(2) 等価交換事業によるか、円滑化法を利用するか。
円滑化法を利用して建替事業を行う最大のメリットは法律に定められた厳格な手続きのもとで行政の関与を受けながら、かつ権利者の意思決定に基づいて事業を行うことで区分所有者の皆さんが安心して建替え事業に参加できることにあるといえます。
これに対して、等価交換契約にもとづいてデベロッパーにいったん土地所有権を移転し、事業を全て任せて行う等価交換事業はデベロッパーを信頼することができれば安心で手間の少ない事業方式であるといえます。

(3) 組合施行か、個人施行か。
組合施行は建替え合意者が自分たちで組合をつくり事業の主体となって建替事業を進めるというもので、権利者の意思決定にもとづいて安心して事業が進められるという上記の円滑化法の趣旨をそのまま実現する方式です。
これに対して、個人施行方式は全員の合意の下で自分たちに代わってデベロッパーなどに事業を任せようというもので、いわば等価交換事業の便利さを円滑化法の中で生かした方式であるといえます。
 
 

マンション再生協会